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「わかりやすいマニュアル」がユーザーの売り上げアップに貢献
「わかりやすいマニュアル」がユーザーの売り上げアップに貢献
「わかりやすいマニュアル」がユーザーの売り上げアップに貢献
写真左から、シリョサク株式会社 ディレクター 石井真子・原真紀子、イーベイ・ジャパン株式会社 セラーマネジメント部 コンテント&パフォーマンスマネージャー 岩瀬かなえ様
イーベイ・ジャパン株式会社様
業種
法人サービス
ジャンル
クリエイティブ制作
成果
リード・売上アップ
※この記事は2025年6月3日取材時の情報です

この度、イーベイ・ジャパン株式会社様より、ユーザー向けマニュアルの制作支援をご依頼いただきました。


ご依頼の目的

  • ユーザーである販売事業者(セラー)様に越境ECへの理解を深めてもらう

  • 自社サービス「eBay」を通した海外販売に挑戦するユーザーを増やす

  • ユーザーが途中で離脱せず、モチベーションを保ちながら販売を継続できる

  • サポート部門の負荷を軽減し、社内の人員コストを抑える

支援内容

約2か月半に渡る、ユーザー向けサービス利用マニュアルのコンサルティング・制作

成果

  • 発信内容に対する好意的な反応の獲得

  • SNSでのエンゲージメント数アップ

  • ユーザーの売り上げアップ

  • ユーザー側のカスタマーサービスの質の向上

  • 社内外向けコンテンツ制作の負担軽減


今回は、シリョサクにご依頼いただいた背景や、プロジェクトを通しての成果などをお伺いしました。

書く“べき”ことは?情報の取捨選択の難しさ

―それではまず、会社のご紹介からお願いします。

岩瀬 イーベイ・ジャパンは、アメリカに本社を持つ世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」の日本法人です。日本国内のセラーさんがインターネットを介して海外に販売する「越境EC」の分野をご支援しています。今年で創業30周年を迎え、日本法人も16年になりました。

ありがとうございます。岩瀬様の部署もご紹介いただけますか。

岩瀬 はい。私が所属しているのは、セラーマネジメント部です。eBayで販売に挑戦されるセラーさんが、スムーズにビジネスをスタートして継続的に成長できるよう、販売ステップやトラブルに関するオンラインガイドマニュアルを作成したり、売り上げアップに向けた情報発信をしたりしています。

また、「商品が届かない」「説明と違う商品が届いた」といった、セラーさんとバイヤーさんの間のトラブルを減らすため、販売データに基づいた予防策の設計にも取り組んでいます。

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岩瀬 私自身は学びの機会の提供を目的とした、オンライン施策の遂行のほか、NPS調査やVOC(ボイスオブカスタマー)の分析を通じた、サービスの品質向上に努めています。

Webサイトを拝見すると、「eBayアカデミー」の公式YouTubeチャンネルもあるようですが、そちらもセラーマネジメント部で担当されているのですか?

岩瀬 そうですね。YouTubeチャンネルの動画もですし、Web記事やメールなど、オンラインコンテンツの制作は私の部署が担当しています。社内でも特に、新規のセラーさん向けに支援策を打っている部署で、セラーさんの新たなチャレンジをサポートすることが、私たちのミッションです

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―今回シリョサクにマニュアルの制作をご依頼いただいた背景をお教えください。

岩瀬 Webサービスを展開する企業のあるあるだと思いますが、「ユーザーが求めている情報に、ユーザー自身がスマートにたどり着く設計」が大きな課題でした

セラーさんにとって、海外への販売は大きなチャンスになる分、日本とは異なるポリシーや手順に沿った運用そのものが負担になりやすいものです。特に、バイヤーさんとのトラブルが重なると、通常業務にも支障が出てしまいますから、私たちはトラブル防止と解決のために、ヘルプ記事やマニュアルの作成にも励んでいます。

しかし、セラーさんへお伝えしておきたいことが山のようにあり…必然的に文章量が多く、視覚的補助が少ない傾向にありました。それが逆にセラーさんにとっての負担、モチベーションの低下、最悪の場合、そこで越境ECへの挑戦を諦めることになるのでは?と危惧していました。

―どんな場面でもそうですが、支援したい気持ちが強いほど、伝えたい情報は多くなりやすいですよね。

岩瀬 はい。実際、弊社でも1つのトピックに対して、4つの記事が用意されているケースがあります。セラーさんがトラブルに遭遇されたとき、その4つを読まないと自分が求める答えにたどり着かないというのは、理想的な状態とは言えません。適切なタイミングで求めている情報にたどり着ける。そのタッチポイントの設計に改善の余地があると考えていました

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岩瀬 また、社内に目を向けると、リソースの課題がありました。越境ECという分野は不安に感じられるセラーさんも一定数いらっしゃって、細やかなサポートが求められます。記事があっても、読み込みが大変であれば「問い合わせた方が早そう」と思われ、結果、社内ではコンテンツ制作とお問い合わせ対応で、サポートのリソースが二重にかかってしまいます

そういったサポートにまつわる問題の解決策を模索している中で、今回のご依頼に至りました。

過去1年分のお問い合わせからトピックを精査

これまで社内でコンテンツ制作を進められていた中で、今回我々のような外部業者へ依頼するに至ったのには、どのような背景があるのでしょうか?

岩瀬 以前から、代表の豊間根さんが出演されている動画を拝見していて、情報を整理して伝える力と、読み手目線のストーリー設計に魅力を感じていました。

私たち自身、日々コンテンツを発信する中で、特にセラーさん目線の情報設計に難しさを感じています。越境ECの専門用語やeBay独自のキーワードに慣れ親しんでいる私たちが、いかにわかりやすく伝えられるか。どの業界でも、この壁に苦戦されている方はいらっしゃるかと思いますが、それを第三者のプロの視点で言語化してもらえないかと考えていました。

そこで、シリョサクさんのWebサイトに掲載されている、みずほフィナンシャルグループさんや神田外語大学さんの支援事例なども拝見して、マニュアル制作のご相談に至りました。

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―今回のマニュアル制作は、社内のプロジェクトの一環だと伺いました。

岩瀬 そうですね。弊社では昨年末から「ニューセラーサポートプロジェクト」と題して、日本のセラーさんのポテンシャルを高め、販売を円滑に進めてもらう取り組みを始めました。

その一環で、今回ご依頼したセラーさん向けのマニュアル作成があります。サービスそのものやトピックの概念を直感的につかめるよう、ビジュアルを交えてわかりやすくブラッシュアップする試みです。

コンテンツの設計にあたって、まず私たちがおこなったのは、過去1年分のお問い合わせの読み返しです。それらをテーマごとに分類し、問い合わせ頻度が高いもの、つまり、セラーさんがつまずきやすいポイントから優先的にリストアップしていました。

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―おそらく、弊社とのキックオフミーティングの実施は、そのリストアップを含めた課題の整理を終えられたあとだったかと思います。

通常はキックオフミーティングがヒアリングの場の一つになるのですが、イーベイ・ジャパン様の場合、その前にとても詳細にまとめられたドキュメントをいただけており、事前に情報をインプットした上でキックオフを実施できたので、全体像をつかみやすく、より踏み込んだ議論ができたことを覚えています。

岩瀬 そのニューセラーサポートプロジェクトを進めるにあたって、どうしても外せなかったのが、1スライドで3つの観点を押さえておくことでした。セラーさんにご対応いただくこと、セラーさんが対応する意味、万一対応いただけなかった場合のリスク。この3つのポイントが重要でしたので、各トピックで押さえてくださいとお願いしていました。

また、文章を読まなくても全体像を捉えられるような図解中心の設計、加えて、専門用語をできる限り避け、シリョサクさんの言葉で資料を作ってほしいともお願いしました

お話しを伺ったり、私たちからご提案したりする過程で、プロジェクトに携わる皆さんが常に高い熱量で考え、情報を提供してくださいました。

シリョサクだけで考えるのではなく、「この見せ方がいいのでは?」「これは誤解を招くのでは?」と議論できたので、制作をご依頼いただいたというよりも一緒に作り上げたという感覚が強かったです。

マニュアルをSNSに活用!?約5倍の反応が集まる

―シリョサクのこれまでの制作実績の中でも、1トピックを1スライドでまとめてほしいとご要望いただくことは珍しかったです。

岩瀬 今回そのようにご依頼したのは、そのスライドをマニュアルの一部として扱うだけでなく、SNSやメール、記事にも単体で貼り付けられる、汎用性の高いコンテンツとして使いたかったという背景があります

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岩瀬 実際、できあがった資料は期間限定のダウンロードキャンペーンに活用したり、毎週水曜日にハッシュタグで「#はじめてのeBay」をつけて、SNS投稿のキャプチャに使ったりと、マニュアル以外の用途にも使っています

すると、SNSで発信を始めて以降、セラーさんから「こういうものがほしかった!」という好意的なお声をいただくことが増えました。Xでは、ブックマークやリポスト・返信など、さまざまな形で反応があり、その数は普段の投稿と比べると約5倍にも上ります

そういった反応を確認できたことで、届けたい人に届いたという実感がありました

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―このスライドですね。私も実際に計算式にトライしてみましたが、計算するたびに数字が合わず苦戦しました。自分自身でやってみたからこそ、この難易度を実感できたと思います。

岩瀬 難しい内容を説明するに際し、ご依頼前はそれぞれの手数料で記事を分けて、一つ一つ詳細に解説していました。それが今回、一つの表にまとまったことで、見やすさとわかりやすさを兼ね備えた説明になっています

この中でも、ファイナルバリュー費(落札手数料)はカテゴリーと価格帯によってパーセンテージが変わってしまうというわかりづらい要素です。それを具体例を交えて説明してくださいましたし、その料金の説明だけでなく、ストアでどのくらい安くなるのかという点も加えていただけたので、1つのスライドに複数のベネフィットが詰まっています

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―手数料に限らず、サービスの仕組みが理解できると、徐々に越境ECにおもしろさを感じられるようになりました。

岩瀬 越境ECって意外にも簡単に始められるので、少しでも興味のある方にはぜひチャレンジしていただきたいですね。お困りの際は私たちがサポートしますし、1枚のスライドを見るだけでそのトピックに対する理解が進むようなマニュアルも生まれましたから!

わかりやすいだけじゃない。売り上げアップに貢献

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岩瀬 SNS以外の具体的な数字を公表できないのがもどかしいですが…。

今回のマニュアルをダウンロードされた日本のセラーさん100名分のデータを確認したところ、前月比で売上が平均5%向上したことがわかりました

そんなところにも数字で成果が表れているのですね!4月上旬の納品からたった2か月でそのようなお話を伺えるとは思わず、驚いています!

岩瀬 ほかにも、マニュアルをダウンロードされたセラーさんは他のセラーさんよりも、BBE(Bad Buyer Experience:商品未着や在庫切れなどの取引トラブルの発生率)が約半分の水準という結果が出ました

これは私たちが追っている指標の一つで、数値が低いほど、セラーさんがバイヤーさんに良いサービスを提供できているという証なので、とてもいい傾向です。

今回の施策を通して、私たちが届けたかった情報がきちんと届き、実際のトラブル予防やサービス向上に活かされたことが実感できました

資料は作ることがゴールではないので、制作に携わった者として、当初の課題解決につながっているというご報告はとても嬉しいです。

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―社内の変化はいかがでしたか?

岩瀬 お問い合わせ件数についてはこれからウォッチしていくところですが、社内にも影響がありました。

今回のマニュアルは、単に社外向けマニュアルとしてではなく、新入社員のオンボーディング資料にも活用しています。新入社員は、セラーさんと同じように専門知識へのハードルを高く感じやすい立場にいますが、このマニュアルによってそのハードルを下げて理解度アップにつなげられています。

カスタマーサポートやアカウントマネージャーのチームでも、メール配信の際に必要なスライドをピックアップして貼り付けていますし、会議の場でもスライドを参照しながら議論を進められています。カスタマーサポートのチームにも自由に活用してもらえるようファイルごと渡していまして、今では社内の基盤と言える、ノウハウがつまったマニュアルになりました

―部署ごとに作った資料がその部署だけで使われる、というお話はよく耳にしますが、イーベイ・ジャパン様では部署間で共用されているんですね。「会社で一丸となってお客様をサポートしたい」という気持ちが強く感じられます。

「読む」マニュアルから「使える」マニュアルへ

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―今まで外部に制作を依頼される機会がなかったとのことですが、実際依頼されてみていかがでしたか?

岩瀬 ご依頼の背景にも挙げていた、読み手視点での情報設計が、さすがプロだなと感じました

常日頃から越境ECの話をしている私たちは、どうしても「理解できる土台」ができてしまっています。その土台がまだないセラーさんにとって感じられやすいハードルの高さも、シリョサクさんに入っていただいたことで解消されました。

あとから読み返しても、ありきたりな型に当てはめた図解ではなく、内容をしっかり理解してポイントをつかんでから組まれた図解であることがよくわかります

また、マニュアルが「読み物」から「使えるもの」に変わった点に価値があったと感じています。シリョサクさんのサービスは、一般的に想像されるような代行業ではなく、私たちの一員のように同じ熱量で並走してくださるコンサル業という印象です。

ミーティングの場でベストなご提案ができなかったこともあり、一度持ち帰るという悔しい思いもしました…。

その際も「もしかしたら」と岩瀬様から別の角度でお話しいただけたことで、双方納得のいく見せ方につながりましたし、私自身も伝え方の引き出しが増えて学びになりました。

岩瀬 専門用語や独自の販売フローがあり、私たちだけでは情報の取捨選択が難しかったです。そこをコンサル的な立場でシリョサクさんに整備してもらえました。

当初は資料制作のご相談でしたが、SNSの投稿など、資料の枠を超えた領域についても親身になって考えてくださったのが心強かったです。第三者として携わっていただけたことで、私たちは業界にいる人間の視点で、優先度の整理やSNS投稿などの次のアクションに集中できました。

AIだけでは生まれにくい「対話」の価値

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―ユーザー向けに限らず、マニュアルや研修資料は伝わらない・読まれない・活用されないとお困りのご担当者様が多くいらっしゃいます。その方々に向けて何か一言いただけませんか?

岩瀬 はい。特に独自のサービスを展開されている企業様ですと、ゼロから説明を作らなければならない場面に苦労されていると思います。

今は生成AIが図解などのパーツにとどまらず、資料そのものを作ってくれる便利な時代です。それを活用するのも一つの手段ですが、人と人とが対話することで、想像していなかった切り口からの提案が生まれることもあります

AIを活用する際も、言語化の過程は欠かせません。その言語化が難しい場面では、プロの力をお借りするのもいいかもしれませんね。

―シリョサクはお客様との対話を通して実現できる「言語化」を大切にし、資料制作だけでなく研修のコンサルティングや動画制作でも支援してまいりました。ぜひ、資料という枠にとらわれず、「とりあえずシリョサクに話を聞いてもらおう」ぐらいの気軽さでご相談いただけると嬉しいです。

(撮影/遠山 輝 取材・文・編集/原 真紀子)

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