バンダイナムコグループの一員として、「“いいもの”をつくり続ける」という理念のもと、アニメーションや実写など様々な映像作品を手がけられている株式会社バンダイナムコフィルムワークス様。
同社は、映像作品を企画、製作し、TV・映画・配信媒体など、さまざまなメディアを介してユーザーへ作品を届けられているほか、著作権・版権の管理運用、商品の企画・販売まで担われている、いわば「総合映像エンターテインメント企業」です。
この度うねりは、同社よりご相談いただき、新入社員向けのプレゼンテーション研修でご支援しました。
ご依頼の目的
実務で活用できるビジネス基礎力を新入社員に身につけてもらいたい
現場で通用する企画提案の「型」を習得してもらいたい
支援内容
概要:「企画提案」をテーマにした研修を丸一日かけて実施
対象者:2025年度新入社員 41名
カリキュラム:アウトプットの重要性、資料作成の基礎(構成編・デザイン編)
成果
最終成果発表のプレゼンにて、役員から「非常にわかりやすい」「もっと聞きたいと思わせる」などのポジティブな声が届いた
― 今回、企画の段階で「期待を超える新人」というキーワードが出てきていましたが、具体的にはどのような方をイメージされていたのでしょうか。
後藤 あえて抽象的な表現にしているので、定義は難しいところですが、ひとつ例として挙げるとするなら、今後の当社の主軸となるIP(知的財産)を担う人です。
私たちのグループやブランドが好きであることはもちろんなのですが、それだけでなく、IPビジネス自体に関心を持ち、それを推進していってくれる熱量に注目しています。
― ブランド力が強いほど、採用の場面では会社に対して好意的な方が集まってくれて嬉しいですよね。でも、ビジネスを進めていく上では、それだけだと難しい部分があるのも事実で…。
後藤 はい。「どれだけ自社のIPに詳しいか」ということも大切ですが、「それをどのようにして世に広められるか」「どのようにすればユーザーやファンの方にもっと喜んでもらえるか」に面白みを感じられることが重要です。
― そんな期待が寄せられた新入社員の方々は、入社して間もなく、社長をはじめとした役員に向けてプレゼンをされました。経営層に向けたプレゼンって、なかなかハードな課題ですね。
後藤 そうですね。今回が初の試みでした。
― テーマやグループ決めもお任せでしたよね。
肴倉 はい。事務局からは「役員に向けて新規企画を提案してください」とだけ振り出しました。
後藤 今年の新入社員に対しては、これまで以上の積極性を求めています。ただ、こちら側が細かく指定してしまうと、思考の幅が狭まってしまいますから、自由度を上げる意味でもざっくりと設定した方がいいという結論に至ったのです。
結果的に、これは一つの施策としてよかったと思っています。新規事業だけでなく、インナーコミュニケーションに関するプレゼンも出てきたので、柔軟な発想に繋がったと捉えています。
― 今回の研修にどのようなことを期待されていましたか?
後藤 いわゆる「資料の作り方」に留まらず、前段階の考え方を吸収してもらうことに期待していました。 以前に代表の豊間根さんに登壇していただいたWHITE BASE ACADEMY(社内外の講師を招いた学びの場)でも、資料作成において考えるべきことをわかりやすく体系的に伝えられている印象を受けまして、頭の動かし方が肝だなと思っていました。
肴倉 私はその前情報がない状態で前任者から引き継いでいましたので、当日拝見して驚きましたね。
― どのような点に驚かれましたか?
肴倉 PowerPointの操作方法を学ぶ研修だと思っていたので、桃太郎を題材にしたプレゼンから始まるとは想像していなくて(笑)でも、そこでキョトンとしてしまったのではなく、序盤に「これは何をどう伝えれば相手に響くのか、を学べる研修だ!」と期待できました。
― 前任の方からは、ご相談の段階で「我々の期待を大きく超える一日にしてください」と言っていただきました。ハードルが高い分、期待してもらえていると思えましたし、肴倉さんからの期待も超えられたかもしれませんね(笑)
肴倉 実際、そうですね。新入社員も前のめりになって話を聴いていて、研修でどのようなことを学べるのかと、わくわくしている様子が印象的でした。
― それは何よりです!
― 事務局として立ち会っていただいた中で、ほかに印象に残ったことはありますか?
後藤 当社からの急なオーダーにも応えてくださって、その柔軟な対応力に驚きました。
「配属されてすぐにでも、企画書を作れるようになってほしい」という思いから、当初は提案書作成の基礎にフォーカスして新入社員に教えていただく予定でした。
しかし、当日のお昼休みに、武内さんと講師の石野さんが新入社員から「役員プレゼンに取り組んでいる」と耳にされたことをきっかけに、私たちにご提案がありまして。その結果、急遽、役員プレゼンに向けた構成づくりにシフトしていただくことになりました。
これによって、今回の研修がリアルな提案に対して第三者目線でフィードバックをもらえる機会にもなり、参加者からも喜びの声が上がっていました。
お昼休みの何気ない会話からご提案いただき、さらにその場で柔軟にご対応いただける研修会社さんはとても珍しいです。
― 研修の規模や目的にもよりますが、目的達成のために参加者の皆さんの様子を拝見しながらプログラムを柔軟に変えるのも、選択肢の一つだと考えています。
肴倉 そういった方針転換もですが、研修設計やサポートの面は特に、お力添えいただけてよかったです。
役員向けのプレゼンは、投資する・しないを判断できる人たちに、自分たちの思いを直接話せる貴重な機会なので、その重みを社外からも伝えてもらえたことで、新入社員の意識が上がったと感じています。
― 入社して間もなく、格式の高い場でプレゼンを求められるわけですからね。
肴倉 不安は多少なりともあったと思いますが、ストーリーラインの型をインプットしたり、「根拠のないデータは伝えてはいけないんだ」とNGパターンも知ったりしたことで、自信を持ってプレゼンできていましたよ。
― 役員の皆さんの反応はいかがでしたか?
肴倉 どのグループにも共通して、見やすくてわかりやすいという声がありました。白紙のスライドにデータを貼るだけではなく、聴き手視点でポイントを絞り、伝え方が工夫されていたので。
温かく見守っていただいている面もあるとは思いますが、役員からは提案内容に対する質問よりも、フィードバックが多数送られていたので、趣旨が伝わるプレゼンになっていたのだと思います。
― 今回のプロジェクト全体について、そのほかにご感想があればお願いします。
肴倉 プレゼンテーション研修を軸に、ビジネスパーソンとしてのマインドまで触れてもらえたのは、私にとって想像以上でした。新しいアプローチ方法を目にできたので、人材育成においてやるべきことを整理し、外部の方のお力もお借りしながら役割分担していきたいです。
後藤 今まで研修自体が体系化しきれていないこともあり、「伝える研修」に偏りがちだったと感じています。
ただ、研修は助走にすぎず、現場でアウトプットできて初めて意味を成すものなので、配属先や他の社員から「今年の新入社員は一味違うね!」と声が届くように、育成を続けていきたいです。
肴倉 来年以降も「期待を超える新人」はキーワードになると思います。
― おっしゃったように、研修は助走でしかありません。この先、中長期的にはどのような存在になっていてほしいですか?
後藤 周囲を引っ張っていく存在になってほしいですね。
今は会社として、ジョブローテーションを推進していく方針になっています。担当する作品や役割によっても、物事の見え方や捉え方が変わってきますから、経験を積んでコア人材になってほしいです。
― だからこそ、早い段階で目の前の人の期待を超えられるように、行動に移してもらうための研修を用意したいですね。ぜひ、今後も一緒に伴走させてください!
(撮影/阿久津 勇太郎 取材・文・編集/武内 駿亮)
うねりは、企業活動における言語化・アウトプットを支援するクリエイティブカンパニーです。
組織の成果創出にお悩みでしたら、ぜひ一度私たちにお話をお聞かせください。